鶏形埴輪 [古墳]
魚をくわえた鵜(保渡田八幡塚古墳出土 かみつけの里博物館展示)
鶏形埴輪
鶏は「朝を告げる」ことで有名ですが、鶏埴輪の造られた時代は、邪悪な人に知らず、ひそかに活躍するものが暗躍していたと考えられ、鶏が暗い夜を追い払う魔除け的な存在と思われます。また、権力者は時間を支配することが大事で、鶏は朝を告げる時間の象徴だったに違いありません。地域を納める首長には、鶏を飼うことが権力の象徴だったと思われます。
雌雄1対の鶏形埴輪の出土から「生命の象徴」とも、亡くなった首長の権力を継承する儀式が行われ、鶏が「新たな首長の誕生の象徴」などの説があります。
鳥形埴輪などの形象埴輪は器財埴輪や家形埴輪が4世紀にあらわれ,鳥形埴輪がこれにつづき,馬形埴輪や人物埴輪は5世紀以降に出現したことが判明しています。
鶏形の遺物は福岡県行橋市の下稗田遺跡から出土した、鶏形のものが弥生時代半ばに造られた最古のものです。
その後、木製品、銅鐸、銅鏡などの絵柄として登場し、埴輪に統一されていくようです。鳥形埴輪の中でも、鶏形が一番多く、全国的に見られます。
群馬県内では、太田市の石田川遺跡からは雄鶏埴輪の頭部(4世紀後半~5世紀前半)が出土し、前橋市公田東遺跡からは鶏形土製品(4世紀前半)が出土している。
また、古くから各地で造られた道祖神などの石造物にも鶏、猿などの絵柄がたくさん見られ、神聖な存在であったことがうかがわれます。
太田市立藪塚本町歴史民俗資料館 (http://www15.plala.or.jp/yaburekimin/index.html) より
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